会社が少し成長してきたら
会社の規模が大きくなるにつれて、社長が隅々まで見渡せていた社内はいつの間によく分からなくなってきます。そして管理職が任命されますが、その管理職もだんだん部下が何をしているのか分からなくなってきます。
社内にグループウェアが必要なんじゃない?とか、社内SNSがあればいいのに?とか、プロジェクト管理ツールが必要だ!といったことがこの頃から始まります。
もちろんクラウドサービスはたくさんあるので迷うでしょう。なかなか、自社の規模に合ったサービスを見つけるのは大変です。
これくらいの規模の会社でクラウドサービスを使う上での重要なポイントは、
- 全員が使えるか?
- コストパフォーマンスはどうか?
- カスタマイズはしない
の3つです。
全員が使わないと意味がない
まず1つ目の社員全員が使えるか?という点ですが、「シンプルである」というのが大前提です。
今日からこのシステムを使え!と社長や部長が大号令をかけても、メニューがたくさん、機能がたくさん、エクセルの画面みたいだ……。では、そもそもヤル気が起きません。なのでUI・UXは意外と大事です。
また、社内で情報共有する場合、管理職だけやればいい、また逆に部下にだけやらせて管理職は見てるだけ、と言ったケースも失敗します。全員で情報共有しようという意識のもとに導入しないとそもそも活用できません。なので、システムがシンプルで簡単か?単純か?というのは重要なポイントなのです。
色々なことが出切るけれど、使う機能はわずか。という多機能でファットなシステムでは、ITリテラシーの差も伴い全員で使うのが難しい状況に陥ります。
システム導入の効果は見えにくい
2つ目ですが、法人向けシステムとなると月額利用料が高価な場合が多いでしょう。もちろん、その料金はシステムを活用できていればすぐに元は取れるはずですが、社内システムゆえに効果がすぐに数値化されるとも限らないのです。システムは運用していくうちに価値が上がり効果が出てきます。「導入したらすぐに効果が出ます!」という謳い文句のシステムやサービスは逆に疑った方がいいかも知れません。
カスタマイズコストは自社に跳ね返ってくる
3つ目は、どうしても自社の都合の良いように、カスタマイズしたくなる、という点です。このカスタマイズが有効なのは大企業だけだとお考えください。大企業であれば初期投資も大きくできますし、そもそも自社内や、関連企業内で運用することも可能です。
現在のサービスやシステムはクラウドで運用するタイプのものがほとんどです。クラウドで運用するメリットは、どこからでもアクセスできるというのもありますが、自社で物理サーバをホスティングしなくて良い、と言った点や、アップデートがあった場合の対応の早さ、ユーザーパーコストの削減などが挙げられます。カスタマイズしてしまうと、このアップデートと運用コストが大きくなってしまいます。
一見、カスタマイズは自社に合わせられるので便利、という印象がありますが、サービスに合わせて自社での活用方法を考える方がメリットが大きいのが正直なところです。システム会社の営業担当が、顧客の担当者の要望をなんでも聞いて、カスタマイズがかさんでしまい、運用に響くというケースがよく見られます。要望を出せばいい、というものでもありません。
(もちろん、カスタマイズを売りにしているサービスもあるので、そちらは例外です。)
この3つを加味して、そろそろ社内に人材管理を導入しようと思っている企業の担当者は上記を踏まえて導入の検討をしてはいかがでしょうか?
1つのサービスで済ませようとしない
あともう1点。現在はサービスの機能を特化しているものが多く、利用用途や規模によってそれらのサービスをそれぞれ使いこなすのが良いでしょう。一つのサービスで全てなんとかしようとすると、前述の通りシステムが重くなり、カスタマイズが増えて、メンテナンスが大変になります。
テクノロジーの進歩は早く、今は最新のOSで構築したシステムでも、そのシステムに全ての機能を入れてしまうと、いずれアップデートコストがかかって、結果古いOSのシステムを使い続けなければならないというケースがあります。
中小企業の特徴はそのフットワークの軽さです。であれば、出退勤はこのサービス、プロジェクト管理はこのサービス、経理システムはこのサービス、人材管理はこのサービス、チャットシステムはこのサービス、といったように機能を特化した複数サービスの利用が、乗り換えも楽ですし、どれか一つがダメになってもすぐに代替が効くというものです。
いかがでしょうか?
これからクラウドサービスを導入しようとしている担当者の方に少しでも役に立てればと思います。
ホントノでは、クラウド導入支援も行っています。