カメラマンから見た取材時の写真写りがよくなるコツとヒント

フォトクリエイティブ

男性社長ポーズイメージ

会社の中で重要な役割を持つ人ですと、会社案内やWeb媒体のインタビュー記事、FacebookなどSNSでのプロフィール写真を撮ってもらう機会があることでしょう。

とは言ってもプロのモデルではありませんから写真は苦手…、という人が意外と多いものです。しかし会社の広報的な意味で言えば社長や重要なポストの人の写真での印象は会社にとってもかなり重要なはず。

写真を撮られる時のコツとヒント

そこで、写真を撮られる時のちょっとしたコツとヒントをここではカメラマンの視点から簡単に挙げてみることにしましょう。

なぜか写真だと猫背に見える

写真を撮る立場から見ると、撮られる際、いちばんに気を付けていただきたいのは“姿勢”です。多くの場合、写真では猫背に見えがちなのです。猫背と共に、顎が前に突き出たように写りがちです。

これを防ぐためには鏡の前で改めて一度、自分の立ち姿をしっかり見てみるといいでしょう。三面鏡があれば、ある程度横からの姿も見られるので姿勢のチェックに効果的です。具体的には背中の肩甲骨をぐっと寄せるように意識をするといいでしょう。ただ背中を真っ直ぐにするという意識だけだと足りない場合が多く、少しやりすぎくらいかな? と思うくらいに胸を張るとちょうどいい感じです。

棒立ちではダメ、ポーズは重要

次にポーズ。「タレントやモデルではないのだからポーズなんて」と思われるかもしれませんが、ただ真っ直ぐ正面に向いて立つだけだと免許証用の証明写真のようになりがちです。といっても腕組みをしたりするとラーメン店の紹介写真のようになってしまいますし、国や地域によっては、これを拒絶のポーズと受け取る場合も多いようです。無理に作ったポーズではなく、どちらかの肩がカメラから見てほんの少し後ろになるように、30度ほど回転して立ち、そのまま顔だけは正面に向き、腕はスッと下すか軽く前で手を重ねるような自然な感じが望ましいと思います。

男性でも顔のテカリくらいは気にしたいところ

男性社長イメージ

女性の場合、どなたもご自分にあったメイクをなさっているので心配は少ないのですが、男性はそういった経験がないもの。撮影前に化粧が必要とは思いませんが、最低限のケアはしておいたほうが良いと思います。

化粧をしない男性の写真で気になりやすいのが顔のテカリ。撮影前に顔を洗うか、ウェットティッシュなどで拭っておくだけでもかなり違います。女性が身近にいる場合は“あぶらとり紙”を借りてテカリが気になるおでこや頬、鼻の横などを擦らずに押さえておくといいでしょう。また、男性用のテカリ防止ジェルなども市販されていますので、こういったものを用意しておくのも有効です。

意外と目立つのが、ちょっとした鼻毛の飛び出し。カメラマンがプロであれば、撮影後に修正してから納品してくれると思いますが、写真だとこれがビックリするほど克明に写るのです。鏡の前で、ちょっとだけ顎をあげるようにして鼻を見て、その角度で見える鼻毛はカットしておきましょう。

また、最低限の身だしなみとしてメガネの油汚れ、衣類についたホコリや肩のフケなどにも注意。昼食後であれば葉の間の青のりや食べかすなどの残りを歯磨きで落としておくことも大切です。撮影場所には鏡を用意しておき、すぐにご自身でチェックできるようにすることが肝心です。

女性のメイクもポイント

女性役員イメージ

女性のメイクはご自身らしいものであれば大丈夫なのですが、もし写真に撮られる機会が多いならば、あらかじめチェックしておきたいのがファウンデーションの特性です。ファウンデーションの中に含まれる蛍光剤がカメラのフラッシュに反応し、実際よりも青白く見える種類の製品があるのです。こういったファウンデーションを使うと、顔と首の色があからさまに違う、といったことになりがちです。これは、あらかじめご自宅でいくつかの化粧品を試し、コンパクトカメラで結構ですのでフラッシュを焚いて撮影し、試しておくといいですね。

そしていざ撮影となったらいちばん大切なことはリラックスすること。撮影前に深呼吸をし、口の周辺の強張りを緩めるために口の動きを大きめに意識しながら「あえいおう」と発音したりするのがいいでしょう。また、あらかじめ好きな音楽を用意しておき、音楽を流しながら撮影に臨むのもオススメです。

一番いいのは自然体

プロのカメラマンはほんの数枚撮って終わりということはなく、多くの場合1シーンで数十枚、シャッターを切るのが普通です。たくさん撮るのに驚くのではなく、必ずいい表情があるはず! と期待して撮影に臨めば良いと思います。

色々と述べてきましたが、最終的にはいつものあなたが自然に写っていることが大切です。楽しい気分で臨みましょう。

【筆者プロフィール】

筆者近影

吉村 永

テレビ番組制作から雑誌編集を経てフリーランスに。音楽ものVideoClipの撮影から雑誌、新聞などの取材、芸能誌でのタレント、アーティストなどの撮影を中心とするポートレイトのカメラマン。 写真機材への造詣も深く写真誌などへの寄稿、メカニズムや撮影技法解説執筆も多数。2017年よりカメラグランプリ外部選考委員。
※この記事内の写真は著者が撮影したものではありません

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